「あの子は私を『おばあちゃんママ』と呼んでくれていた」。兵庫県三田市で長女の夏美ちゃん=当時(5)=に暴行したとして、継母の寺本浩子容疑者(27)が逮捕された事件で、死亡した夏美ちゃんの父方の祖母(56)が12日、胸の内を語った。七五三の記念にピンクのワンピースを着て、笑顔をみせる夏美ちゃんの写真を手に、祖母はそっと涙を浮かべた。
祖母によると、夏美ちゃんの実母は病気のため26歳の若さで他界。夏美ちゃんはまだ2歳だった。仕事のため育児ができない息子(30)が寺本容疑者と再婚するまでの2年余り、自宅に引き取って夫(58)とともに親代わりになって育てた。
夏美ちゃんは誕生日には「おばあちゃんママ、お誕生日おめでとう」と書かれたカードを贈ってくれた。母の日にも毎年、カーネーションと手作りの花瓶を手渡してくれた。「夏美がくれたものを見ると、今も涙が止まらない」
夏美ちゃんが寺本容疑者と暮らすようになって4カ月がたった昨年4月。突然、三田市の自宅マンションから7キロの道のりを1時間かけて1人で歩き、訪ねてきたことがあった。驚いて寺本容疑者を問いただすと、返ってきた答えは「私は夏美に対して母性がないからほうり出した」。虐待を疑い、すぐに市に相談した。
だがその後、夏美ちゃんが暴行を受けて児童相談所に一時保護されていたことは、昨年11月に夏美ちゃんが亡くなる直前まで誰からも知らされなかった。
「夏美がどんな生活をしていたのか、私が知ってやれていれば、あんなことにならずに済んだかもしれない」。改めてこみあげる後悔と悲しみに、祖母は声を震わせた。
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県警捜査1課と三田署は12日、昨年6月に夏美ちゃんの顔をたたくなどして約1週間のけがをさせたとする傷害容疑で、寺本浩子容疑者を送検した。
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