【裁判員 京都地裁】
3人の娘の点滴に水道水やスポーツドリンクを混入し死亡させたなどとして、傷害致死と傷害の罪に問われた高木香織被告(37)=岐阜県関市=の裁判員裁判の初公判が10日、京都地裁(増田耕兒裁判長)で開かれた。裁判員には女性5人、男性1人、補充裁判員には女性3人、男性1人が選ばれた。医学的な主張が展開される公判で、裁判員がどのように量刑を判断するのか注目される。
高木被告は白いシャツ、黒いジャケット、スカート姿で入廷。罪状認否では「四女に対して5月以降に注入はしていません。それ以外は間違いありません」とか細い声で、起訴内容をほぼ認めた。
検察側は冒頭陳述で、高木被告は平成7年に長女を出産後、理想の母親像と現実のギャップに失望。夫や夫の両親らから、どう見られているか不安を感じるようになったと指摘。
そのうえで、13年に次女(3歳で死亡)が病気で入院した際、看病につくす母親と周囲からみられ、心地よさを感じた経験が、三女らへの犯行につながったとした。
五女の入院の際は「常時付き添いで看病できる病院」を強く希望し、京大医学部付属病院に転院。「もう退院できる」と医師から説明を受けた後にも混入を続けたという。
一方、弁護側は冒頭陳述で、高木被告が犯行当時「代理ミュンヒハウゼン症候群」で判断力が低下していたと強調。「児童虐待事件とは、原因や動機が全く異なる。家族も、1日も早い帰りを待っている。社会内で立ち直る機会を与えるべき」と主張した。
四女の混入時期をめぐっては、検察側が「亡くなる直前の5月上旬にも混入した」としているのに対し、弁護側は「容体が極めて悪化した4月21日以降はしていない」としており、11日以降、医師らの証人尋問で焦点となる見込み。
また、約60語をおさめた医療用語集は、検察側が証拠を説明する前に、裁判員らに配布された。
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